第11章 待ち侘びた日々
私も蜜璃ちゃん目掛け駆け出す。
「…ぐぇっ!」
「キャーッ!ナオちゃん!ごめんね!大丈夫!?」
「だ‥大丈夫‥っ」
蜜璃ちゃんの力強い抱擁で一瞬意識が飛びかける。8倍娘の力は今世でも健在らしい。その抱擁から解放され、フラフラしながらも私は蜜璃ちゃんの手を取り
「蜜璃ちゃん…会いにきてくれてありがとう。なんだか今日来てくれるんじゃないかって思ってたの!」
そう微笑みかけた。
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お腹が空いたと言う蜜璃ちゃんの希望で、私達は近くにある個室イタリアンへと場所を移動した。その間瑠火様へ、"蜜璃ちゃんとご飯を食べて帰るので夕飯はいりません。急な連絡で申し訳ありません"と、連絡を送ると"ゆっくりして来てください"と優しい返事が来たので安心した。
早く話をしたいところだが先ずは注文が第一優先事項だ。次々と注文をしていく蜜璃ちゃんと、困惑しながらも注文を受けていく店員さん。相変わらずな様子がとても懐かしくて私はニコニコとその様子を見つめていた。
「ナオちゃん、この度は本当におめでとう!私、伊黒さんから2人の結婚のことを聞いて、いてもたってもいられなくて!再会してすぐにプロポーズだなんて煉獄さんったら相変わらず素敵!職場に押しかけたら迷惑かしらと思って行くのをやめようか迷っていたんだけど、煉獄さんが駐車場で待ってれば迷惑にならないだろうってアドバイスをくれたの!」
と興奮気味に捲し立てる。流石、職場に押しかけてきた実績のある杏寿郎さんのアドバイスは的確だ。
「ありがとう。蜜璃ちゃんは今、伊黒様とお付き合いしてるの?」
蜜璃ちゃんはその質問にポッと頬を赤らめ
「そうなの!今はまだ私が学生だから無理だけど、卒業したら結婚しようって約束をしているのよ」
と言った。
「素敵!おめでとう!」
「ふふふ。ありがとう!私、今‥大好きな人の側にいられて毎日とっても幸せよ」
伊黒様は蜜璃ちゃんの記憶が戻る前から蜜璃ちゃんのことを見守っていてくれたらしく、その際も伊黒様は無理に記憶を取り戻すような事は絶対にしなかったそうだ。私と同じで、謎の高熱で寝込んだ蜜璃ちゃんは、その後前世の記憶を取り戻し、即自ら伊黒様に想いを告げお付き合いに至ったという。その話を聞く流れで、前世でどのように2人が別れを迎えたかも聞くこととなった。
