• テキストサイズ

暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第11章 待ち侘びた日々


「え?なになに柏木さん、この間のイケメン俳優と結婚したの?」

そう話に割って入ってきたのは、先日私の背中を押してくれたあの先輩だ。

「先輩、私の夫はイケメン俳優ではありません。歴史担当の教師です」

「やだ!あの風貌で教師なの?そのギャップがまた素敵!今度ゆっくり観察させてね!」

この間はあんなに頼もしく、私の背中を押してくれたと言うのに。やはり先輩はおちゃらけた人だなぁと思ったが、私はそんな先輩の人柄がとても好きだ。

「まぁとにかく、結婚おめでとう!イケメン教師とお幸せに!」

先輩のその声に、事務所にいた人たちもみんな"おめでとう"と暖かい祝福の言葉を私にくれたのだった。

「皆さん、ありがとうございます」



———————



無事お休みを頂けた私は、まず身分証として使っている免許証を更新するために最寄りの免許センターへと足を運んだ。

昨日発行しておいた住民票と免許証、そして記入した変更届を受付へと提出し、引き替え番号札をもらった私は空いている席に腰を下ろし自分の名が呼ばれるのを待った。

「引き替え番号14番でお待ちの煉獄様、煉獄ナオ様」

「はい」

名前を呼ばれたので、返事をし立ち上がった。けれど何故かその時、その場に居合わせた年配の女性から自分と同世代くらいの女性と思われる何人かが私の方へと振り向き、ジッと私の事を無遠慮に見てきた。

すごく見られてる。これ…室長が言っていた事と関係があるのかな…?

何となく、前世で浴びた事のある視線と似ているような気はした。私はその視線に気づいてないふりをして、ごく普通に更新された免許証を受け取り、その場を後にした。





同じ事が、銀行でもあった。

「煉獄ナオ様」

「はい」

先程の事もありなるべく目立たないよう返事をしたつもりだ。けれど名を呼ばれた時点でその行動には何の意味もなかったようで、免許センターの時と同様にいくつかの視線を浴びる事となった。やはりその視線は、前世で散々浴びてきた類のものと同じだ。不躾に浴びさられる視線が全く気にならないかと言えばそうではない。それでも、そこで私が気後れでもしたものなら相手がつけ上がることを嫌と言う程前世で学んだ。

手続きを済ませ振り返る際、その視線を送ってくる主たちに向け、私は敢えてニコリと微笑み出口へと向かった。
/ 391ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp