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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第11章 待ち侘びた日々


その翌日。

「え!?結婚!?柏木さんが!?」 

上司に結婚の報告をすると、大層な大声を出し驚いていた。

「はい。突然の報告になってしまいすみません」

自分自身、金土日の3日間であまりにも状況の変化が大き過ぎて、未だに信じられていない部分があるのも事実だ。

「重ねて申し訳ないのですが、昨日籍を入れたもので免許証と銀行口座の名義変更が済んでなくて。午後お休みを頂けると助かるのですが」

「それは構わないけど…柏木さん有給使わな過ぎだから、上から取らせろって言われてたし。でも、いくらなんでも急過ぎない?僕の認識だと付き合ってる人もいなさそうだったし…」

極めて正しい反応だと思う。私は、歓送迎会や忘年会といった飲みの席でどうしても出てくる色恋に関する話題に対し、"今は仕事が大事なので恋愛には興味がありません"と言って来た人間だ。そんな人間が突然結婚しただなんて、不思議に思うのが当然。

「柏木さんしっかりしてるから…詐欺に引っかかるって事はなさそうだけど」

"詐欺"という言葉に思わず苦笑いが浮かぶ。

「えっと…長年離れ離れになってた婚約者と…再会したって感じ…ですかね?」

「いやね、僕に聞かれても。まぁそう言う話ならなんとなくわかったけど。それで、新しい苗字は何になったの?」

「煉獄になりました」

「…っ!!!」

上司は私の言葉にカッと目を見開き、更には椅子をバターンっと音を立て倒しながら立ち上がる。

「室長うるさいです」

「煉獄…!?煉獄ってまさか、あの道場を営んでる煉獄槇寿郎さんのところの御長男の煉獄…!?」

そう、まさにその御長男が杏寿郎さんだ。まさか相手を言い当てられるとは夢にも思っていなかった私の頭に疑問符が浮かんでくる。

「…どうしてわかったんですか?」

「いやいやだってね!煉獄なんて苗字あのお家の方々以外会った事ないし!僕、長年ここに勤めてるからこの地域には少し詳しいんだけど、あそこの御長男と言えば、昔っからスポーツも勉強も出来て、愛想も良くて、なのに全くって言っていい程女っ気がなくて!今まで何人もの女性が彼に恋焦がれ、敗れてきたのを僕は知っている!まさかそんな彼を心を射止めていたのが僕の部下だったなんて…っ!僕は誇らしい!」

鼻息を荒くし、そう言う室長の興奮具合に私は若干引いていた。

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