第2章 青から赤へ
「うむ!ではまずは準備運動がてらに走り込みだ!俺の後ろをついてきてくれ」
「はい!」
煉獄さんは即座に走り出し私はその後を慌てて追う。
‥準備運動でこの速さなの?街の景色がビュンビュン変わっていく。心なしか走るペースも上がってはいないか。でもなんとかついて行かないと一隊士として恥ずかしい。呼吸を使い必死で煉獄さんの背中を追いかける。
はぁ‥はぁ‥!
煉獄家に戻ってきた頃には私はもう息も絶え絶えで座り込みたい気持ちで一杯だった。どれだけの距離、そしてどれだけの時間走っていたのか検討もつかない。お日様はかなり高くまで上がっていた。
「よし!次は素振り1000回だ!」
「‥はい!」
ブンっブンっ!少しも休憩も取らず、走り込みからの素振りに内心驚くが煉獄さんの素振りに合わせ私も借りた鍛錬用の木刀を振る。
「うむ!やはり君の構えは美しいな」
「‥っありがとうございます」
急に褒められ嬉しい気持ちもあったが正直言うと必死すぎてそれどころではない。
後半は煉獄さんのペースについて行くことができず、私が1000回の素振りを終えたのは煉獄さんがそれを終えたかなり後だった。
もうあんまり腕に力が入らない。煉獄さんはあんなに余裕たっぷりなのに。稽古が予想以上に辛い。‥でもちっとも嫌じゃない。
ふーーーーーっ。
なんとか体力を回復しようと深く呼吸をする。
「よし!大丈夫そうだな。次は打ち込み稽古500回だ!」
嘘でしょー!!!
心の中で叫ぶ。
「‥‥っはい!!」
煉獄さんは私のことが嫌いなのかな?思わず涙が出そうになった。
ガッ!ガッ!ガッ!
最初は撃ち込まれるのをただ受け止めるのに必死だった。
「よし!良いぞ!柏木!」
それでも段々と自分から積極的に打ち込めるようにもなり打ち込み稽古らしくなってくる。厳しいながらも煉獄さんは褒め上手なのか、もうだめ!っと思う絶妙なタイミングで声を掛けてくれるので諦めず頑張れた。
「うむ!よく頑張った!今日はこれで終いにする」
終わった‥。
限界を迎えた私は煉獄さんの前で失礼ではとかそんな事を考える余裕もなくその場に倒れ込む。
「こらっ!そんな場所で寝転ぶんじゃない!休むならこっちで休みなさい」
「すみません‥」
ズリズリと重い身体をなんとか引きずり縁側に上がらせてもらう。