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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第10章 灯る灯火


杏寿郎さんと槇寿郎様の視線が私へと向く。

「父と、特に母は、あまりにも男性に興味を持たない私を常々心配していました」

両親ともやれどこそこのあの子が家に彼氏を連れて来たらしいだとか、あのアイドルグループのあの子は凄く格好いいだとか事あるごとに言って来た。そんな父や母に返す、私の反応といえば

"興味ないかな"

と毎回同じ。そのうち、私に何を言っても無駄だと悟った両親は何も聞いてこなくなった。自分でも不思議に思ったことはある。けれどもどんなに周りが格好良いと言っていても、連絡先を交換するだけでもと友達にお願いされても、全く興味を持たないどころか嫌悪感すら感じることもあった。

でも、前世の記憶を取り戻した時私は理解した。私は別に"男性に興味がない"訳ではなく、"杏寿郎さん以外の男性に興味がない"だけだったのだ。

「先程、明日、会ってもらいたい人がいると母に連絡したところ、やっと私に相手ができたのかととても喜んでいました。父は‥まだなんとも言えませんが、杏寿郎さんに直接会えば絶対に納得してくれるはずです」

私は槇寿郎様へと向き直り

「だからお願いです。どうか杏寿郎さんと結婚する事を許して下さい」

と再び頭を下げる。



「ナオさん、あなたが頭を下げる必要などありません。どうか頭を上げてください」



そう言う瑠火様の声が聞こえ、私は顔を上げそちらの方に目を向ける。

「杏寿郎は、幼き頃よりずっとナオさんの事を探し求めていました。そして私も同じように、その日が早く来ればとずっと願っておりました。前世で辛い責務ばかりを背負わせてしまった杏寿郎に、今世では自分の幸せを追い求め、誰よりも幸福になって欲しいと心より思っています。だからどうか‥これからの人生を杏寿郎と共に過ごしてやって下さい」

瑠火様のその言葉を杏寿郎さんはほんの少し目を潤ませながら聞いているようだった。

「任せてください。私が‥必ず、杏寿郎さんを幸せにしますっ!」

隣に座っている杏寿郎さんの左手がスッと伸びてくる。テーブルの下でこっそりと重なった杏寿郎さんと私の手と手が繋がり、まるでこれからの2人の人生が重なったかのように思えた。もう絶対にこの手を離すことはない。



私の心は暖かな幸せで満たされた。



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