第10章 灯る灯火
杏寿郎さんは私のその言葉にバッと顔を上げ、目を見開き私を見る。
「…寄り添って歩く二人が…恋人同士に見えて…それで「そんなわけないだろう!!!」っ」
と、杏寿郎さんは部屋中に響く程大きな声で間髪入れず私の言葉を否定する。
「俺が約束を違えると思ったか?俺が君以外を愛すると思ったか?そんなことはあり得ない!!!昔も、今も、これからも、俺にはナオだけだ!!!」
その杏寿郎さんのまっすぐな言葉に、私の涙腺は完全に崩壊した。
「恐らく君が見たのは、具合が悪くなった女性を見つけ病院へ連れて行った時のことだろう。確かに肩を支えてはいたがそれは彼女がふらついていたからだ」
「…ごめんなさい…私…ずっと杏寿郎さんを捜していて…やっと見つけたと思ったら…別の女性が隣にいて…ごめんなさい…っ!」
謝り泣き続ける私の言葉を奪うように杏寿郎さんの激しい口づけが再びふってくる。
「…っん…ふぅ…」
ちゅ…くちゅ…
口内を縦横無尽に堪能しているような、杏寿郎さんの舌が気持ち良くて、杏寿郎さんの首に腕を回し私もその動きに応えるように舌を動かす。苦しくて、気持ちよくて、私の下半身が熱く疼きだす。
「…んはっ…」
離れてい行く杏寿郎さんの顔をじっと見つめていると
「先ほど再会したばかりでこんな事を言うのは憚れるが、俺は今‥君を抱きたい」
と熱い欲を孕んだ瞳が私を見つめ返す。
「…私も…抱いてほしいです…」
返事をするや否や杏寿郎さんの腕が私のシャツの中に差し入れられ、再び熱く激しい口づけが落ちてくる。
杏寿郎さんの手が私の胸の中心に触れ、身体がどんどん熱くなる。
「…っんぅ…あ……」
けれども、ことが本格的に始まってしまう前に、杏寿郎さんに言っておかなければならないことがある。
「…ん…杏寿郎さん…っふ…あの…」
「…なんだ?」
その手は止まる様子はない。
「…っ…私…まだ…っあ…経験…なくて…んぅ…優しく…お願い…します…っ」
その言葉を聞いた杏寿郎さんの動きがピタリと止まる。固まってしまった杏寿郎さんに急に不安になり
「…嫌…でしたか…?」
と聞くと、目をカッと見開き
「嬉しいに決まっている!!!」
そう叫んだ。
杏寿郎さんは驚き固まる私の耳元に口を寄せ
「心配いらない…俺も同じだ」
と甘く囁く。