第7章 幸せに手が届く
「ところで、ナオさんにお願いがあるのですが」
しのぶさんが私にお願いしたい事‥果たしてなんだろうか。けれど、どんなお願いであろうといつもお世話になっているしのぶさんのお願いとあらば断る理由なんてない。
「お願いですか?良いですよ」
「あら?まだ内容も言っていないのに受けてしまってよろしいんですか?」
「しのぶさんにはいつもお世話になってますから!私で力になれる事であればなんでも!‥あ、でも痛いことはちょっと‥」
私の答えにしのぶさんは「痛くなんてしませんよ」っと優しく微笑んでいた。
「ナオさんにはここにいる炭治郎くん、善逸くん、伊之助くんの機能回復訓練のお手伝いをして頂きたいんです」
先ほどから気になっていた3人。3人をまとめる長男のような子が炭治郎くん。黄色い髪の汚い高音の声の持ち主が善逸くん。筋肉ムキムキの美少女‥じゃない美少年が伊之助くんと言うらしい。
しのぶさんがこっそり「炭治郎くんは例の裁判の‥」と教えたくれた。
そうかこの子が‥。
杏寿郎さんがあの後裁判で何があったかを教えてくれたので、内容としては把握している。こんな‥優しそうな男の子だったのか。炭治郎家くんと妹、鬼の禰󠄀豆子ちゃんの話を聞いてやはり信じ難い部分もあった。けれどもお館様が、そしてあの杏寿郎さんが認めているので有れば私がどうこう思う理由もない。何より炭治郎くんからはとても優しい雰囲気を感じ取れるし、強くなろうと言う意志も感じる。私が出来る事はただ純粋に、強くなろうと努力をするこの子に協力するのみだ。
「私でよければも喜んでお相手します」
私のその言葉に善逸くんは
「えー!こんな綺麗なお姉さんに相手してもらえるの!?ヤッホーッ!」
と喜んでいる。しかし
「あ、命が惜しければその人にちょっかいを出さない方が身の為ですよ」
しのぶさんのその物騒な物言いに、善逸くんの顔色が悪くなる。
「え!?何で!?ナオさんってこんなに穏やかで優しそうなのにそんなに怖い人なんですか!?」
「いいえ。ナオさんはおっしゃる通り穏やかで優しい方ですよ」
再びパッと明るくなる善逸くんの表情。
「でも、彼女に少しでも下心を抱こうものなら‥赤い毛色を持った虎が‥善逸くんの首を狩りにきますのでお気をつけ下さい」
ピキーンと善逸くんが凍りつく。