• テキストサイズ

暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第2章 青から赤へ


あの時はもう死んでも良いと思っていたが、実際にカナエ様からその言葉を聞くと背筋が冷えるような気がした。

「そうだったんですね‥私はてっきり炎柱様かと‥。お会いできる機会があるか分かりませんが、もし次に会うことが出来れば必ずお礼をさせていただきます」

「あ、そのことなら心配いらないわ。貴方が目覚めたら烏を飛ばして知らせるようにと言付けを預かってるの」

「え‥?何故ですか?‥私‥なにか気に触ることでもしてしまったのでしょうか‥?」

煉獄家の御子息様が私になんの用事があると言うのか。全く身に覚えが無く、意識を失っている間にもしかしたら何かやらかしてしまったのではないかと嫌な想像が過ぎる。

「さぁ。私はご本人じゃないから検討もつかないけど、別に怒ってるとかそういう感じでは無かったしそこまで怖がる必要はないんじゃないかしら」

お顔が真っ青よーっとニコニコしているカナエ様。

「柏木さんさえ良ければ早速烏を飛ばそうと思ってるんだけどどうかしら?」

不安は拭えないが助けてもらったのであれば一刻も早くお礼を述べるべきだと思うし、何よりこんな不安を抱えたまま何日も過ごすなんて嫌すぎる。

「大丈夫です。お願いします。‥お手数ばかりお掛けして申し訳ありません」

「じゃあまた返事が来たら連絡するわね」

「はい。よろしくお願いします」

カナエ様は用が全て済んだようで羽織を翻し部屋の出口へと向かって行った。けれど部屋を出る直前に立ち止まるとくるりと振り返る。

「‥前から気になってたんだけど、私個人としてはもう少し砕けた態度で接してもらえるとすごく嬉しいのよね」

カナエ様の予想外の言葉に‥へ?と間抜けな声が漏れる。

「ただでさて数少ない同性の隊士でしょう?それになにかと情報交換も出来るし、考えておいてもらえると嬉しいわ」

最後にもう一度ニコリと微笑むとカナエ様は今度こそ部屋を出て行った。

部屋に静寂が訪れる。

すごく嬉しい提案ではあったが本当に良いのだろうか。そして御子息様は私に何か用でもあるのだろうか。目覚めたばかりの頭にはどちらも刺激が強く、恐らく脳が拒否しているのであろう。私は急な眠気に襲われ、その欲求に従い起こしていた身体を再びベッドに沈め眠りにつくことにした。
/ 391ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp