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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第7章 幸せに手が届く


「‥水の呼吸を使ったそうだな」

その言葉にバッと杏寿郎さんの顔を見る。

「‥なぜ‥そのことを‥」

杏寿郎さんは返事してくれず目を細め、こちらを伺う様にジーッと見ている。まずい。これは怒っている。

「‥っごめんなさい‥」

「謝罪を求めている訳ではない。ナオの身体はもう水の呼吸を使うのには適していない。無理に使うことで、身体に負担となるだけではなく、せっかく会得した炎の呼吸の方に悪影響を及ぼしかねないと説明はしたはず」

‥返す言葉もない。でもあの時はその方法以外思いつかなかった。あの鬼の意表をつき、攻撃を喰らわせるのにはあれがあの時私に出来た精一杯だった。

「‥私の‥力不足です。‥他にあの鬼を倒す術が思い浮かばなくて‥無理を承知で使いました‥申し訳ありません」

私のその言葉に、杏寿郎さんは「うむ」と静かに言うと、私の身体をグリンと回転させ正面に向き合わされる。

「ひとりで下弦ノ陸を無事討伐したことは素晴らしい。師範として誇りに思う。だが俺は目の前で倒れ、呼吸が異常な程乱れる君を目の前にし、それこそ心臓が止まる想いだった。‥もう無茶はしないでくれ」

ギュッと、まるで縋り付く様に私を抱きしめる杏寿郎さんに胸が締め付けられる。

「‥約束します。もうしません」

杏寿郎さんの不安が少しでもなくなります様に、と願いを込めて私もできる限り優しく、自分の体温を移す様に杏寿郎さんに抱きついた。







「うむ!この話はこれで終いだ!」

杏寿郎さんは納得がいったのか、私の身体を解放するとおもむろに私の火傷に巻かれた包帯に手をかけ出した。

「え!?なんですか!?」

「間もなく見廻りに出ねばならない時間だ!その前に君の火傷に薬を塗っておかねば!」

やはり本気でやるつもりだったのか!

「‥け、結構です!自分でやれます!」

「遠慮することはない!」

「遠慮じゃありません!嫌なんです!」

杏寿郎さんの手で薬を塗られるなんて恥ずかしいし‥何より醜い火傷を必要以上に見られたくない。

「‥愛する妻の大切な身体だ。労いたいと思う俺の気持ちを分かってはくれまいか?」

「‥っ!」

眉を下げ、まるで甘える様に私を見る杏寿郎さん。私は‥その目に弱い。外では絶対に見せることのない、私だけが知っている煉獄杏寿郎の顔。

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