第6章 熱に焼かれる
そうしてしばらく身体を寄せ合った後、
「‥身体は大丈夫か?」
布団に2人仲良く収まり、先程までの茹だる様な暑さが嘘の様な穏やかな時を過ごした。
「‥はい‥少し痛みますが‥それ以上に幸せです」
そう言った私に杏寿郎さんはカッと目を見開き、
「頼むからもう俺を煽らないでくれ!」
私の身体はギュッと痛いほどに強く抱きしめられた。
そんなつもりは…なかったんだけど。
そう思いながらも、自分のことをそんなにも求めてもらえることが嬉しくて思わず笑ってしまう。
「む?何かおかしいだろうか?」
「‥いいえ」
それにしても、勢いのまま杏寿郎さんを求めてしまったが、初めての情交だと言うのに湯浴みすらしなかった。しかも日中ときた。よくよく考えてみると自分の取った行動があまりにも恥ずかしい事に気づき、そっと布団の中に隠れる。
「よもやナオがあんなにも可愛く迫ってくるとは。婚姻を結ぶまでは耐えるつもりであったが無理だった!」
わはは!と笑う杏寿郎さんになんだかこちらもおかしくなってしまい釣られて笑ってしまう。
「‥もう一度きちんと言わせて欲しい。俺が求めるのは、今もこれからも君だけだ。ずっと側にいてくれ」
この人が愛しくて堪らない。
ずっと側にいたい。
「‥はい。何があってもずっと‥側にいます」
何も纏っていない温かくて逞しい胸板に縋り付く。そしてそのまま杏寿郎さんの胸に耳を当て、杏寿郎さんの鼓動を聴いていると、なんだかとても心地良く、急激な眠気に襲われた。
そんな私の様子に気がついた杏寿郎さんが
「少し眠るといい」
そう言いながら私の髪を優しく撫でる。
「…すみません…じゃあ…少しだけ…」
「ああ。おやすみ、ナオ」
その声色は酷く優し気で、それが更に私の眠気を誘った。
「…おやすみなさい…杏寿郎さん…」
初めての刺激的な経験に、心も身体も疲れてしまった私は、杏寿郎さんの言葉に甘え、そのまま眠りの世界へと身を委ねたのだった。