第6章 熱に焼かれる
私のその言葉に、杏寿郎さんは目をカッと見開き、
「…っんぅ…!」
先程までの優しい動きが嘘のように、私の身体を強く揺さぶり始めた。
「…ん…んぅ…はっ…あっ…」
「…ナオ…ナオ…」
激しく揺さぶられる身体に、痛みだけじゃない、甘やかな何かを感じ始める。そうすると私の口から、自分でも聞いたことがないような声がどんどん漏れ出てくる。
杏寿郎さんも、熱く吐息混じりの声で私の名を、まるで譫言のように繰り返し呼んでいる。
頭の中が茹って、溶けてしまいそうだった。
「…ん…あぅ…ふっ……ん……杏寿郎…さん…?」
ふと杏寿郎さんの動きがゆっくりになり、不思議に思った私が杏寿郎さんの顔を見ると、
「…すまない…もう…出てしまいそうだ…」
眉を下げ、恥ずかしいがっているような、惜しんでいるような、そんな顔をしながら杏寿郎さんはそう言った。その見たこともない表情に私の胸は
キュンッ
と高鳴る。
「…ん…いいですよ…っ…出して…下さい…」
「…っすまない!」
杏寿郎さんはそう言うや否や、
「…っあ…んぅ…はっ…」
再び私の身体を激しく揺さぶり始め
「…っ…出すぞ…」
「…っはい…ん…来て…っ!」
最後に強く、深く私の中を突き
「…っ!」
私の中に、その熱い欲を吐き出した。
心も、
身体も、
そして身体の中も、
どこもかしこも杏寿郎さんで満たされた私の心は、幸せでいっぱいだった。
そんな私の顔の横に肘をつき、欲が吐き出されるその快感に耐えているのか、杏寿郎さんは
ふぅぅぅう
と深く息を吐き、それが落ち着くと私に体重をかけない様に自分の身体を支えながら、私の肌と杏寿郎さんの肌をくっつける様に乗っかってくる。
その行動に、私の心は更に満たされ、それ以上くっつけない位に私は杏寿郎さんに強く強く抱きついた。
「…杏寿郎さん…大好き…」
杏寿郎さんの耳元に口を寄せ、私がそう囁くと、
「俺もナオの事を心の底から好いて…、いや違うな。俺は、ナオの事を、心の底から愛している」
杏寿郎さんも私がしたのと同じように、酷く甘い、私だけしか知らない声で囁き返してくれたのだった。