第16章 真実 × 失恋
智凪に全てを話したあと、
彼女はこう言った
「…悔やむなら、
ダメ元でも伝えるべきだよ」
「でもっ、無理だよ…
先生には宮寺先生が…!」
「愛里!
ダメだよ。溜め込んだら、
それはただの未練になるんだよ
大丈夫、先生は優しいから」
泣き腫らした目から、
また溢れる涙。
「…行ってくる」
「うん。待ってるね」
例え今はあの人でも、
理由ぐらい、
聞きたいじゃないか
例え、私なんか
ヒト欠片も好きには
なっていなくたって
知りたいじゃないか。
図書室に入り、
鳴海先生を探す。
「……愛里ちゃん、
なんかあった?どうしたの?」
奥から顔を出す鳴海先生
宮寺先生は、
もう居ないようだ
「…どうし、「好きなんです」
顔が暑い
たぶん、恥ずかしいから
「えっと…」
困った顔をしながら、
目線を逸らす。
「ずっと、前から」
握りこぶしに力を込めた
落ち着け、落ち着けなんて
鳴り止まない心臓に言い聞かせながら