第16章 真実 × 失恋
なんで?なんで辞めるの?
「まあ、大人の事情だ。
そういうわけでよろしくな!」
鳴海先生はそう言い、
また宮寺先生と図書室を出た。
離れちゃう。また、遠くなる
そんなの、いやだ…。
「鳴海先生!!」
気づいたら、呼び止めてて
鳴海先生はその目的も分かったのか。
にっこり微笑むと
「心配するな、
宮寺先生は優秀だから!」
わざと、そんな的外れた
返事を返してきた。
そんなんじゃなくて。
好きなの、好きだよ先生。
ずっと前から、
先生が好きだよ…!
「…は、い」
フラれた気がした。
これ以上はダメだよ、
もう、仲良しはできないって
そう言われてる気がした
「ふふ、よろしくね?仁坂さん」
嘲笑わうかのような笑みを、
ちらりと見せた宮寺先生
そうか。
宮寺先生なんだね、
今は、もう、
宮寺先生なんだね……。
「愛里?どうした?」
「…智凪っ、あのねっ、私っ……」
「おいで。大丈夫、聞いたげるから」
傍にいて、それすらも
叶うことはなかった…。