第16章 真実 × 失恋
『紹介します、新しい司書の
先生の宮寺先生です』
図書委員の集まり、
先ほど隣で歩いてた女の人。
美人だ。
鳴海先生の、タイプど真ん中だ
「よろしくお願いします」
胸がキリキリ痛んだ。
この理由も分かってるから。
「仁坂さん!ちょっと!」
「…はい」
なんで苗字呼びなの。
前は名前だったじゃない。
なんて、言えもしない気持ちを
抱えたまま私は鳴海先生の元へ駆け寄る。
「この子、よく出来る子だから
仁坂、これから宮寺先生が
図書室によくいることになるから。
手伝いの方は頼むな?」
「…え?」
「先生な、先生を
もう少しで辞めることになったんだ」