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片思い連鎖

第14章 夏 × 恋





でも今はあの頃とは違う。


なのに、なんだか和也は
あの頃の私みたいに見える。





ガラガラ




「失礼します」



「あーー!久しぶりぃ〜!
 もおー、全然来てくれないからさあ
 寂しかったよ先生!」




鳴海先生は両手をバタバタさせて
カウンター越しにアピール


なんて恥ずかしい先生だ



「櫻井先輩は?」



「翔くんはねぇ、生徒会だよ〜
 あれ、横に居るのは二宮くんかなあ?」


やっほー、と呑気に手を振る鳴海先生




和也はペコリとお辞儀。
なんだか余所余所しい態度だな


「翔くんからね、聞いてるよ〜!
 愛里ちゃんの幼馴染みなんだって?」


「はい、そうです」


「青春だねぇ!
 なになに、お互いできちゃってる?」



バシッ



「いてぇっ」


「鳴海先生、馴れ馴れしいし、
 プライバシーの侵害です」


「…はあい、すんませぇん」




返却されてる本を一つ一つチェックしつつ
寂しがり屋の鳴海先生の相手をする



和也は奥の椅子に行き、
突っ伏して寝始めた




「先生、彼女とは別れました?」



「ああ、うん。
 兄さん達がね、いじめてるっぽいの
 特に研究者の兄がね。
 相当、参ってるっぽい、彼女」



ケラケラそれを笑いながら話す鳴海先生




「先生のお兄さん達って、
 多分ですけどブラコンってやつですよね」


「えー?そうかなあ」


「そうでなきゃ、弟を騙して遊んでた女を
 忙しいのにわざわざ痛めつけませんて」


「言葉が。」





んーそうかな?そうなのかな?




と唸る先生。

やっぱり先生は愛されてる。






 
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