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片思い連鎖

第13章 君 × 俺





公園に着くと天琉は真っ先に俺に抱きついた



「……天「…やだっ……」




天琉は泣いていた。
もう分かってる


だから泣いているんだ。



「あの時、ああしなければ良かったって
 いつも思ってたんだよ……
 そうすれば智と別れずに済んだもの…」


「でもそうさせたのも天琉だよ」


「…このままっ……このまま、
 離れたくないっっ!!」




君が初めてすがりついた。



みっともないからって、
いつもはアッサリ切り捨てるくせに





「もう遅いよ」






俺だって、あの時ちゃんと気づいてればって
何度も後悔してたんだ。



だから連絡先も消せずに居たんだ。




でも、もう遅い。







「誰にだって間違う事はある。
 失敗も、いっぱいする
 でも君は気づくべきだったと思う
 浮気は、気を引くためにするもんじゃない」





あの時のことを、たくさん後悔して。





やっぱり忘れられないなんて、
そんな都合のいい事を平気で言って。


そんなの、ごめんで済むもんじゃない





そんな事を、いいに来たんじゃないんだ






「天琉、もう終わろう
 お互いに後悔も償いもしたよ
 十分に苦しんだんだ。ね、終わろう?」





もしもあの日に戻れるならなんて、
今は思わないよ



過去は過去。



今は、今なんだから。





「……っ…。」





「好き、は終わり」





「智、ごめんなさいっ…
 あの時っ…わたしっ……」


「ダメだよ。終わるんだ
 "あの時"なんて言葉は使わないで
 やり直せば大丈夫」






お互いに知らなすぎた。
お互いに未熟すぎた。


中途半端で幼い気持ちで、





俺達は過ちを犯したんだ。


でも、罪の償いは今日で終わらせるんだ。







 
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