第10章 潤 × 天琉
「落ち着け、潤。
いいか?いま行ってどうかなる事じゃない
アイツは、あの女は嘲笑ってる。
傷ついてるこいつらが泣いてることを。
潤がぶん殴って、それで済むならいいよ
存分に殴って来いよ。
でもな、そうじゃないだろ!
これは大野くんとヤツの問題なんだ
守るだけの役目の潤が手ぇ出したら終わりだろうが!!」
「…けどっっ!!」
「ヤツは殴られた事を絶対にチクると思う
そしたら潤は停学、最悪は退学だ
そうなったら大野くんなんて、どうなると思う?
おかしくなってしまうんだぞ
俺のせいなんだ、って!いいのか!!」
「…っ」
「最善の策を考えるべきだ。
暴力なんかは馬鹿野郎がすることだぜ」
な?と優しく肩を叩く。
ムカついた、
天琉を殴って終わらせたいぐらいに。
でも川辺のおかけで少し落ち着いた。
「大野くんはそいつと話したのか?
例えば…、より戻す事とか。」
「いや……、一方的に言われてるだけ。
話し合い的なのはしてないかな」
「そっか。
そいつ、家とかには来てない?」
「大丈夫。そこまでない」
こういうとき、
川辺はいつも熱くならず冷静だ
だからこそ誰よりも多く考えている。
良かった、連れて来てて。
「…こういう時になんだけどさ」
「んー?」
「その子達、だれ?」
「いまさらだね」