第10章 潤 × 天琉
「…まあ。一旦、落ち着きましょうよ
パニックのままじゃ、最もな答えなんて
出そうにも出ないでしょ」
ニノがそう提案する。
みんなも納得して、
落ち着くためにDVDやら音楽やら聴いた
こんなんで落ち着くのかな…、
すると、突然オレの携帯が鳴った。
メールだ。
しかも天琉から
【ずるい。】
たった一言だけだった。
「どうしました?まさか、」
「変なんだよな、このメールの文」
メールを見せると、確かにと言うニノ
大野くんも、愛里ちゃんも智凪ちゃんも
川辺も頷く。
「ずるい、って、、、」
「大野くんの事なのかな?
だとしても、何がずるいんだろう」
「人に心配されてる事以外、ないわよ」
険しい表情の智凪ちゃんが、
メールの文をジッと見つめながら言った。
「……」
「ずるい…、」
智凪ちゃんは小さく呟いた。
しんと静まる部屋の中で、
メール画面に表示された文字を、
痛む心の中にじんわりと染み込んでた。