第10章 潤 × 天琉
高校生活なんて、中学とさほど変わらない
つまんないのは、
中学の時を思い出してしまうから。
「…いちいち電話してくんなよ
俺、便利屋じゃねえんだよ」
『そんな怒んないでよ。』
『私、付き合うためならなんだってするよ
好きなんだから、手に入れる』
「…あっそ」
『本気にしてないでしょ?
例えて言うなら、あの子を…』
「調子に乗んなよ
てめえの力だって、傷つけられねえよ」
『……まさか、好きなわけ』
「嫌いじゃねえよ。
つか切るからな、じゃあ」
『あっ、ちょっ!』
上手くいけばいいなんて、
恋愛、そう簡単に思うようにはいかない。
「…はあ」
天琉がどうしてそこまで大野くんに
こだわるのか、分からない。
自分から捨てたくせに。
また欲しがって、
そんなワガママ通るわけもないのに。
「馬鹿らしい。寝よ」