第10章 潤 × 天琉
『キャーッ!松本くーんっ!!』
たまに、学校なんかが嫌になったりして。
授業サボったりした。
教室に入れば、普通とは離れた
変な"特別感"のある空気。
「じゅーん、おはようさんだぜ!
なーに膨れっ面してんだよ!
川辺悠介参上してやったんだぜ?」
でも、こいつが現れると
俺のイライラはなんでか消え失せる。
「うっせえよ、朝から」
「テンション高い方がいいだろ!」
「どうせ宿題見せて欲しいんだろ。」
「フッフッフッ、よくわかってらっしゃる」
にやりと笑う川辺。
朝、携帯に一通のメールが来た。
坂城天琉からだ。
内容なんて分かってる。
たぶん、大野くんのことだ
「良いように使われてるよなあ。俺」
「使ってないよー!じゅーんっっ!」
「うっせえ」
天琉と俺はなんでもないただの友達。
俺の友達が天琉を連れてきて、
それから仲良くなってメアドも交換して
大野くんと付き合っていた期間は
そりゃメールも電話も来なかったけれど
『智って、つまんないから。』
天琉は彼にそう言い放った。
一緒に居ても、楽しそうにしないし。
笑わないしいっつも無言だから。
つまんないのよねえ、
天琉はそうボヤいて大学生と付き合った。
『ねーえ、松本くぅん?
今日こそ遊んでくれるわよね?』
『最近、付き合い悪いし。
二宮くんだっけ?その子とばっかじゃない』
「ごめん。いまはそういうの、要らないし」
ニノ、大丈夫かな。
大野くん、大丈夫かな。
心配でたまらないのに。
学校が違うからって、何もできないなんて。
「代わりに俺と遊ぶ〜?」
『悠介はやだ』
『うざいもんね、テンションとか』
「態度違くね?!」
「まあ、川辺だもんな」