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片思い連鎖

第9章 弱虫 × 強虫



昼休み、事件は起きた。



智凪が居ないことに気づいた私は
また陰湿なイジメかと思い、

探し回っていると裏庭に智凪とあの子が
居ることに気づいた。



「なにやってるんだろう…」

なんだか不安なって、私は裏庭へ向かった。







裏庭へ行くと険悪なムード。
入りづらいけど…。


『智くんとどういう関係なのか聞いてるの』


「ただの友達だって言ってるじゃない」



どうやらあの睨み合いで、
女の子は何かを勘違いしたようだ。



女の子はずっと智凪を睨んでた。


『あんた、可愛いからって調子に乗ってんの
 ホントにムカつくんだけど』


「調子に乗ってなんかない
 友達だって言ってるの聞こえてるの?」


「智凪!!」




喧嘩腰な2人の間に割って入る。



「智凪、大丈夫?」


「平気。来てくれたの?」


「居ないから心配だし、お弁当…」




そう、今は昼休みなのだ



「へへ、ごめんね。戻ろう」



『ちょっと待ちなよ!
 あんたら嘗めてんじゃないの!?』



女の子は長い髪をなびかせ、
私達の前に立ちはだかった



少し涙目なのは悔しいからなのかな


『…なんで、なんであんたばっかり……』



女の子は悔しそうに小さく呟いてた
それは智凪には聞こえてない



ぽろっと涙がこぼれ落ちる。


『…私、反省した。まだ好きだって自覚した
 それでも智は無理って言う
 何がダメなの…、浮気も…しないよ…!』


「口先だけならなんとでも言える
 あんたは大野くんが無理って言うほど
 裏切って傷つけたんじゃないの?」


智凪の目は、鋭かった



女の子は強く噛み締めてた唇を緩め
嗚咽を出しながら泣き始めた



「大野くんね、悲しそうだった。
 貴方のこと話すとき作り笑いだった
 もう、本当に無理なんじゃないのかな」


「愛里!」


「だってそうでしょ?
 可能性が少しでもあるなら
 あんな悲しそうな笑顔なんか浮かべないよ」





『…やっ……だ…、諦めないっ…』



女の子はバタバタと走り去った。


大野くんに何があったのか分からない


いま、彼女が何を思って
諦めないと叫んだのか分からない。


それでも確かなのは、
お互いに傷ついてしまってるということ。


 
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