第7章 仲直り × 気づき
ペタんと突っ伏す。
このまま楽になれたなら、
このまんま安心できたら、
どれだけいい事か。
『あーっ!相葉ちゃんじゃーん!』
『あ、ほんとだあ!』
突然、話しかけてきたのは
二人のギャルっぽい女の子2人。
見た目は悪いものの、
常識は持ち合わせているようで
『はじめまして。
相葉と同じ学校の岬です』
『同じく凜奈でーす』
入ってもいいですか?と
きちんと断りを入れてきた。
相葉ちゃんも、
「見た目はアレだけど、
真面目でいい子達だから!」
と言った。
そうして、2人、加わることに。
『ねえ、貴方、何君?』
「二宮和也。」
『大ちゃんと同じ学校でしょ
えーっと、聖南高だっけ?
鳴海先生いるとこじゃん?でしょ!』
藤瀬のことを知ってるみたい。
『え、そーなの!?
ウケる!あの馬鹿女の被害者?』
『そーお!まじムカつくよね、あの馬鹿女』
といきなり出てきたワード。
キョトンとする俺らに
岬ちゃんと凜奈ちゃんが説明してくれる
『馬鹿女っつうのはね、
阿藤沙月。大学三年とか言ってるけど
実際はサバ読んでるよ。』
『28のババアだもんね
普通の高校教師だけどね、
露出の高い服着た誑しだから。あいつ』
ねー?と言う2人。
彼女達の学校では評判が悪いらしい
『阿藤、五股はしてるよ
寝るだけの男だけで数十人って噂』
「へえ。本命はいんの?」
『どーだろ。』
『馬鹿女、本命は鳴海先生って言ってるけど
裏では腹黒いこと言ってるよね』
『玉の輿とか、簡単な男、とかね
でも鳴海先生も勘づいてると思うよ』
出されたお冷を一口飲む岬ちゃん
隣でメニューを見ながら『おいしそー!』
とか叫ぶ凜奈ちゃん。
「まじでか、」
『当たり前じゃん!』
『あんなあからさまに金金言う女、
誰でも願い下げだよ!』
『鳴海先生も可哀想だよ。
婚約まで無理矢理させられてんだもん
きっとそのうち紙も持ってくるよ〜』
うえー、と嫌悪感丸出しの2人。
「紙?」
『『婚姻届!!』』
俯いた視線の先、
携帯がメールの着信を告げた。
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