第7章 仲直り × 気づき
--二宮 side
チラチラと携帯の時刻を見る。
そんなに経っていない。
はぁ、とため息。
「…そんでさぁ!俺、やってやったんだぜ!」
「ニノー、聞いてる?」
「耳だけは傾けてます」
ガンガン音楽が鳴り響くお店で、
まったくの初対面の智の友人が加わって
ぺちゃくちゃと談笑。
なーんも楽しくない。
智の友人の名は相葉。
下は覚えてない。興味すらないからね
ウザイってぐらいハイテンションで、
しかもフレンドリー。
「ふははははッ、もお智!
智こそ聞いてんのお?!」
「聞いてるよお、で何??」
あれから2時間経った。
愛里からのメールは来ない。
「…はぁ」
「ニノってさ、本命には草食だよね」
「えっ、そーなの!?
俺も草食なんだよね!仲間ーっ!!」
「まじかよ。
このまえ、本命と付き合ったって」
「あ、そうだった。あひゃひゃひゃ」
なんだよこいつら、意味不明。
むすっと二人を見つめてると、
智が「話そらしたね、ごめんごめん」と謝った。
「あれは…、照れるだけです
てか、そんなチャラチャラしてないから」
「えー?クラスの女子口説いてんじゃーん!」
ケラケラ笑う智に、
何も誤魔化しの言葉が思いつかない
「そんなんじゃ、本命も振り向かねえよ」
なあ?と独り言みたいに呟く。
「え、だれだれ。だれに同意求めてる?」
とウザイ相葉的ノリ(てか本人)をかます
そんなの分かってるし。
でも、あいつの好きな奴は。
「藤瀬なんですもん…っ。
分かんねえ、し…っ」
自然に溢れる涙。
あんな天然野郎に適うわけないし。
ましてや敵じゃないし。
でも、勝ち目は分かってる。
「どこから出る強気なの
素直に言えないから幼馴染みちゃんと
喧嘩するんじゃない?」
「それは…」
そんなん、分かんねえもん…