第7章 仲直り × 気づき
メールを開くと、
【さっきはごめんね。】
たったそのひとことだけだけど、
俺はめちゃくちゃ嬉しかったりする。
『あー、噂をすれば馬鹿女じゃーん!』
『ほんとだあ!ウケるー!!』
急に騒ぎ出した二人の視線の先には
派手な露出した服着た女性と若い男性
相手の男性はお金持ってそうな雰囲気
『荒らしに行ってみたらー?』
『あいつ焦るよ、きっと
そういうのには対応力ないからね』
「ダメだよ?周りに迷惑でしょー!」
「それよりさあ、このマグロうめえよ」
楽しそうに彼と話すあの人は、
どうして人を騙したりするんだろう。
胸のあたりが締め付けられないのだろうか。
苦しくなったりしないのかな。
「俺、帰ります」
「ええ!?
まだ6時半だよお?!」
「まあ、いいじゃん。」
『またねえ!!』
『鳴海先生によろしく伝えてねえ!
岬と凜奈だよー!』
まともと思ってたけど、
こいつらうるさいし非常識じゃん
お店を出ると、
やっぱり少しだけ暗い道。
一人で歩くのは久々かもしれない
また明日も会える。
会ったらちゃんと仲直り
月明かりに照らされて
ただ一人ぼっちで歩いていた。