第7章 仲直り × 気づき
先生を席に座らせると、
グズグズ泣く鳴海先生の背中を優しく叩く
騙されてる、って言ってたよね。
なんで鳴海先生を騙してるの?
「先生、大丈夫ですか?」
「うん…、あのね、」
と鼻水すすりながら説明してくれた。
鳴海先生と彼女さんの出会いは、
共通の友人が紹介したから
お互い消極的なため(鳴海先生はヘタレだから)
友人が仕切りながら仲良くなったのだという
彼女さんは大学三年。
将来は保育士を目指してるらしい
そんな夢を持った彼女さんを好きになり
鳴海先生は告白し、付き合った
「ここまではすごく良い話。」
そう、ここまでは。
実は鳴海先生の実家はお金持ち(らしい)
父は政治家。母は世界をまたにかけるデザイナー
祖母は脚本家
そして鳴海先生には2人兄がおり、
長男は研究者。
次男は俳優。
家も大きく、なんだって買い与えられた。
(末っ子という特権もあるため。)
彼女さんは実家の財産を狙ったのだと、
紹介してくれた友人に暴露された
その友人も最初は嫌だと断ったらしい。
でも彼女さんはしつこく頼むので、
仕方なくあの日、紹介したらしい
現に彼女さんは実家の事ばかり聞くし、
部外者なのに干渉してくるらしい
「それに束縛が激しいし、独占欲も凄いの
もう耐えきれなくって…」
「彼女が5年も居ないと、こうも恋愛が酷くなるものなんですね」
哀れだと思ってしまった…。
けど鳴海先生の性格上、
引っかかるのも仕方ないのかなと考えてしまう
ちょうど話終えた頃、携帯が鳴る。
「……」
チラッと携帯を見るなり、
はぁ…とため息。
「出なくていいんですか?」
「…だよね、出なきゃ。」
と電話に出て、鳴海先生は廊下へ出て行ってしまった。