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片思い連鎖

第6章 喧嘩 × 気持ち







「いやあ、ダメだね。
 仕事なんか溜め込んじゃあ」



ねえ?とニコニコしながら聞いてくる。
今更の反省ではないのか。


「心配無用です。
 私はそんな大人にはなりません」


「ひでぇw」



鳴海先生に頼まれ、
新しく入った数十冊の本の題名と著者を
書き出す作業。


終わった本は背表紙にある番号を
パソコンに打つ




なんでこんな面倒な作業をサボるのか




「…んぅ……帰りてええええ!」




「それは私のセリフです」





自業自得としか言い様がない。




鳴海先生は「やだ」「帰りたい」「寝たい」
その3つをひたすら繰り返し嘆いていた。


書き出している最中でキラリと光る指輪が
私の目に入る。




「それ」




思わず呟いてしまっていた。
あっ、と口を紡ぐと

鳴海先生は「ああ、これ?」と指輪を眺める


嬉しそうに鳴海先生は一言、


「これね、大切な指輪なの」





大切な、ってなに。

キュッと痛む胸の痛みの理由なんて
もうとっくに分かりきってる。


なのに理由が知りたかった。





何か別の理由を、








誰か教えて欲しい。











 
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