第4章 幼馴染み氏 × ヤキモチ
いつもはこれぐらいで諦めるのに、
彼は懲りずにまだ続ける。
それも『恋』とやらのお話。
「ねーね、和也くんはさぁ」
「気持ち悪いな、
別にニノでいいですよ」
和也くんなんて男に呼ばれても、
全然嬉しくない、むしろ鳥肌立つ。
そしたら彼は、
「じゃあニノさぁ」と訂正した。
いつもの彼ではなさそうで、
俺もなんとなく『智くん』とでも
呼んでみようかと思った。
「愛里ちゃんにヤキモチ妬いてるでしょ」
「…ぶっ、な、な、なんでですか!
あんなちんちくりんにヤキモチ!?
は、はぁー?有り得ませんね!!」
絶っ対にない。
なんでって、そりゃ幼馴染みだから
それに妬く必要なんてどこにもない
「キョドり過ぎだよニノ〜。
ふふふ、好きなんだァー」
ふぅんと頬杖ついて前を向く。
なんとなくだけど。
彼はきっとやな奴。
俺以上に困った性格してる気がする。
……たぶん