第3章 私 × 生徒会長
「盗み聞き、する気はなくて...」
「いいよ、そんなことは。」
生徒会長は図書委員もしてるらしい。
本を渡して返却してくれた。
そう言えば生徒会長ってなんて名前?
「櫻井翔。よろしく?」
「あ、よろしく。」
心を見透かされた感じ
櫻井先輩の名前は何度か聞いた事がある。
なにせモテる男なのだ。
廊下を歩けば黄色い声
微笑めば(もはや)悲鳴。
まるで王子様のような扱いに、
きっとうんざりだろう。
「ね、智。馴染んでる?」
「大野、くん知ってるんですか??」
「もちろん。
俺のイトコだからね」
え、イトコなの!!?
どうりでカッコイイと思ったよ!!
(いや、関係ありません。)
「相変わらず寝っぱなしで、
常に一人で居るみたいです」
「やっぱり。
智、人間関係とか人と話すとか
苦手だからさ」
心配してる、みたい。
そうだよね、
馴染んで欲しいのは当たり前。
私だって知り合いが浮いてたら、
心配しちゃうもん。
「そう言えば名前は??」
思い出したかのように
櫻井先輩はそう聞いてきた