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【MARVEL】This is my selfishness

第6章 6th




「特に何をした記憶もないがな。俺は彼女よりも断然、ミアを指名したいのに」


ぶすくれたように、ステーキを口に入れながらバッキーが言った。
そういえば初めてのお茶会の時にもわたしを指名できないのかって言ってくれてたなぁ…。
嬉しさを感じるけど、そう言って貰えるのは何だか照れる。




『前も言ったけど、お店じゃなければ、指名、できるよ…?』


ドキドキしながらそう言うと、以前のように流されることはなく、「それだ」とバッキーが食いついた。



「今度部屋で酒でも呑もう。あー、でも君は苦手なんだったか?」

『あんまり沢山は呑めないかな。晩酌ならいくらでもお付き合いできるよ』

「それだけだと君が楽しくないだろ?」

『う〜ん…あ、どうせなら映画観ながらとかはどうかな?』


前に映画を観に行ったり、部屋で映画やドラマ鑑賞をしようと話していたことがあった。
バッキーも思い出したのか、「そうだったな」と頷いた。



『明日は仕事もお休みだし、バッキーも都合が良ければ早速明日そうする?』


善は急げ、思い立ったが吉日!


「そうだな。今のところ予定もないし、君に晩酌してもらう酒を持ってお邪魔するとしよう」


快くそう言って貰えて今から楽しみで仕方なくなった。
おつまみとかも準備できるかな?



『そういえば、さっきケリーさんにお店に来るかって聞かれた時、そのつもりって言ってたよね?』

「ああ」

『大丈夫?さっき少し寝れたとはいえ、疲れてるんじゃ…』

「大丈夫だ。俺がいる間は少しでもミアが1人で夜道を歩くのを避けたい」


ジッと真っ直ぐに見つめられて身動きが出来なくなる。
いつか感じたことのある、バッキーの瞳に吸い込まれそうなあの感覚。



「昨日の帰りのこともあるしな」


その言葉に、キョト、と首を傾げる。

何かあったっけ​───────あっ!

思い当たってすぐに顔に熱が集まり、その熱を冷まそうとしてか、じわりと目が潤う。

せっかく忘れてたのに!


恐らくバッキーは帰り道に見かけてしまったカップルのことを言ってるのだろう。



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