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【MARVEL】This is my selfishness

第14章 12th




「ミア。家に着いたぞ」


少し揺らすように何度か呼びかけると瞼が震え、その瞳がゆっくり開いてバッキーを見上げる。


『バッキー』


小さな声で嬉しそうに彼の名前を呼ぶと首元に頬ずりをするようにくっつく。



…まだ寝惚けてるのか?



その仕草に思わず手に力が入る。
口をきつく結んで耐える。


「鍵を出せるか?」

『……』


バッキーの言葉に固まるミア。


『ご、ごめん、ねぼけてた!出せる!ので、下ろしてもらって…』


覚醒してアワアワと動き出すミア。
下ろして、と言われたはずなのにバッキーは下ろそうとしない。


『えっ、なんで…?』


戸惑うミアに彼は微笑むだけで何も答えない。
余計に困惑するだけだけれど、ミアはとりあえず鞄の中から鍵を取り出す。少し手を伸ばして鍵を開けると扉はバッキーが開ける。


抱えられたまま中へ入り、ようやくベッドに優しく下ろされた。


『あ、ありがとう…』

「もう起きてるか?」


バッキーはミアを下ろしてその正面にしゃがみ、下から覗き込むようにしてからかった。


『おおお起きてるよ…!また運んでもらってありがとう』


結局また寝てしまった、と恥ずかしそうに申し訳なさそうにミアは顔を覆う。
バッキーは気にするな、と言いながら立ち上がる。


「じゃあ鍵、ちゃんと閉めれるな?」

『うん、大丈夫』


玄関へ向かうバッキーの後をついて行き、見送る。


「楽しかったか?初めてのクラブは」

『うん、すごく。まさかの懐かしい子に会えたし、バッキーがいてくれたおかげで楽しかったよ』


一緒に行ってくれてありがとう、と改めてお礼を言うと「それは良かった」と目尻にシワを作りながら笑うバッキーはスッと距離を詰め、急に真顔になる。


「今後クラブでもBARでも行く時は絶対に俺と行くように」

『えっ、絶対に?』

「もし誰かに誘われたときは誰に誘われたか俺に言うように」


謎の制限に『なんで?』と首を傾げるものの、返答はなくそのまま「鍵閉めろよ」と言って自分の部屋に帰っていくバッキー。



なんで??





To be continued...
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