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【MARVEL】This is my selfishness

第6章 6th



バッキーが上体を起こすのに合わせて、わたしも退こうとすると、体の筋肉が震えていたせいか、上手く力が入らず、上体を起こすバッキーの胸へとよろけた。すかさずバッキーが支えてくれる。




『ごめん…』

「いや…」

『でもズルいよ、バッキー』



わたしの体を支えてくれているバッキーを見上げながら睨む。
その視線を受けてバッキーは「何が?」と眉間に皺を寄せる。




『くすぐりが効かないのはズルい』

「君は効きすぎじゃないか?」

『…普通ですぅ…』



人に触られるのが慣れてないだけだもん…と言い訳をして、ようやく筋肉の震えが治まってきた体をバッキーから離す。

…バッキーの体、逞しいな…。

冷静になるととんでもない体勢をしていた気がする。
冷静になればなるほど体温が上がるのは何故だろう。

ヨガの本を取り返し、『大人しく寝なさい』とバッキーを寝転ばせた。
言われた通りにバッキーが大人しくクッションに頭を預ける。
やっぱりこっちを見るんだよなあ〜…。









そこからは比較的真面目にヨガに取り組んでいると、いつの間にかバッキーの瞳が閉じられていることに気付いた。

まつ毛が長く、綺麗に伸びていて、口が薄く開いている。
安定したリズムで呼吸をしているのを見る限り、ちゃんと寝れたのかもしれない。


良かった…。


バッキーの寝顔を見ながら、悪夢を見ませんように、と心の中で祈った。

元々眠りが深くないと言っていたのを思い出し、ヨガを続けるのも邪魔してしまう気がしたため、ゆっくりと本を閉じてシートの端に退ける。

規則正しい寝息を聞いているとこっちまで眠くなってくるから不思議だ。
日差しも心地よく、気温もちょうどいい。
そろそろお昼になるだろうけど、ヨガマットじゃないからか、お尻とかも少し痛くなってきたし、わたしも寝ちゃおうかな…。そう思って、バッキーに当たらないように注意しながら、静かに寝転ぶ。


う、地面硬い…よくこれで寝れるなぁ、バッキー。いやでも、わたしも前寝てたか…。


クッションがある・ない、の違いだけじゃなく、硬いのには慣れているらしいバッキーだからこそ寝れてるのかもしれない。



それでもだんだん眠気が布団をかけるようにゆっくりとやって来る。



少しだけ、
少しだけ​───────








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