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【MARVEL】This is my selfishness

第6章 6th



バッキーはポカン、と口を開けた。
その顔が可愛かったから思わず笑ってしまう。


『わたし、今から屋上でヨガしようかなって思ってて』

「なんでヨガ?」

『えっ?あ、え〜っと…』



しまった。ヨガをしてみようかって思った理由は言えない。
『昨日見ちゃった光景が頭から離れなくて気分転換に〜!』なんて言えない。
今のわたしは多分めちゃくちゃ目が泳いでるはず。





『…ちょっとした気分転換〜なんて〜…ははは…』


怪訝そうな顔をされた。うっ!



「じゃあ俺はその隣で寝る」

『え』

「君がヨガしてるのを見てたら寝れそうな気がする」

……それってどういう意味…?
退屈で?ヨガの雰囲気で?


『寝れそうならまあいっか?じゃあクッションあった方がいいよね?持ってる?』


バッキーは下唇を出すようにして口角を下げて、一瞬考えるような顔をすると「いや…持ってない。君のを貸してくれるか?」と言った。


『じゃあ部屋から取ってくるね』

「それ預かる」


わたしが持っていたヨガの本とシートを引き受けてくれる。
お言葉に甘えてそれらを渡し、部屋に戻り、バッキーに貸すクッションを持ってまた部屋を出た。



屋上へ上がる階段への扉をバッキーが開けてくれる。

暖かい日差しだし、ヨガ日和、昼寝日和かもしれない。




屋上に出て互いの持っていたものを交換する。
その時、微かにバッキーの手とわたしの手が触れた。


「……」


無言でバッキーがわたしの手を取り、改めてじっくりと触る。
いつもの手袋をしていないバッキーの素肌と滑らかな義手がまるで隅々まで調べるかのように肌を撫でる。



​────は、恥ずかしい…




『何…?』

「前から綺麗な肌をしていたと思うが…更に綺麗になった気がする」


気付いてくれた!という気持ちと同時に、体温が上がる。

…前も肌綺麗って思ってくれてたんだ…。


『あ、ありがとう…』


嬉しさと恥ずかしさで顔を上げれないでいると、バッキーとの距離が更に近付く。
不思議に思い、顔を上げると今度はバッキーの顔がスッと距離を詰める。



『?!』

「良い匂いがする」


顔の横からスン、と鼻を鳴らす音が聞こえた。
匂い嗅がれてる?!





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