【MARVEL】This is my selfishness
第2章 2nd
わたし絶対怪しい人だったよね…?
挙動不審じゃなかった?
『ううぅ~…恥ずかしい…』
ベッドのクッションを抱き抱えてクッションに顔を押し付けた。
ちらりと顔を上げた時、テレビの横に置いている姿見に映る自分の姿に目が行った。
『!!』
ノーブラで
裾口がひらひらしている太もも丈の短パンに
タンクトップ。
恥ずかしい…ラフすぎる…
汗っかきで、暑がりで、今の季節、寒すぎるわけでもないからってタンクトップって…
なんでせめて上着着ていかなかったんだろう。
ベッドの上で一人悶々と恥ずかしさと闘っていると、ドアベルが鳴った。
『!』
今度こそ!と思って急いで近くにあったパーカーを着る。
バタバタと玄関に向かい、急いで解錠した。
「やあ」
『う、うん、』
シャワー後すぐに来てくれたようで、髪は少し濡れていて、Gパンに長袖シャツ姿のバッキーが左手はポケットに突っ込んで立っていた。
先程のタオルを巻いただけの姿が脳裏に浮かぶ。
この長袖の下には見事な筋肉が隠されていて───────
ぶわっと一気に気まずさが湧き上がってくる。
へ、変態か!
「ミア?さっきから様子が…」
『な、なんでもないの!それで、あの、さっきはね、お茶会のお誘いに行ったの!』
わたしの様子について深く掘り下げられる前に無理やり要件を組み込んだ。
「ああ!」
なるほど、とバッキーは頷いた。
わたしは廊下の奥に広がる、今日片付け終わったばかりの部屋を指差して『片付けが終わったから、明日にでもどうかと思って。急なんだけど時間ある?』と聞いた。
『もし明日が無理なら別の日でも良いんだけど…』
「いや、大丈夫だ。何時くらいに来たら良い?」
こんな変な様子のわたしを嫌そうに見ることなく、ニコニコと接してくれるバッキーに心の中で拝んだ。
『お茶会だし…14時くらい、とか?』
「わかった。じゃあ、また明日」
最後にとびっきりの甘い笑顔でそう言うとバッキーは隣の部屋に帰って行った。
扉を開けて中へ入る時にひらひらと手を振って。
仕草の一つ一つが様になっていてかっこいい人だ。
あとわたしと違って余裕がある感じ。
歳上…かな?