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【MARVEL】This is my selfishness

第6章 6th




前にミアが言っていた、「転校生に友達を取られた感じ」を考えてみる。



が、これは多分違う。
独占欲みたいなものだろう。



ミアには俺だけを見ていて欲しい。
でも彼女にそれを求めるのは難しそうだ。
そういったことに鈍そうだし、もしかしたら俺はそもそも異性として見られてないかもしれない。
彼女の反応的に異性に慣れてないんだろうというのは分かるが…。



俺がこうやって1人の女性に思い悩まされる様を見たらスティーブは驚くだろうな。
そしてきっと「君にもやっと運命の人が現れたんだな」とか言うんだろう。




自分にはきっと運命の人がいると、そう信じていたスティーブがペギーに出会った時。
「もっといろんな女と楽しめばいいのに」と俺は思っていた。
それと同時に俺は多分、心のどこかでスティーブを羨ましく思っていた。



そこまで「運命の人」だと思える相手に出会えたスティーブが羨ましかった。






冷凍されていない時間の方が短かった俺は気持ちがちぐはぐだ。

ヒドラに洗脳される前の性格と気持ちもあるし、洗脳が解けた今の自分が106歳で今を生きる連中との精神的・文化的な違いだとか。


ウィンターソルジャーの時の記憶もあるが故に今現在の現実と向き合おうとするとどうしても消極的になることがある。
人間関係は特にそうだ。

後ろめたさがある。
こんな自分が人と一緒にいていいのか、心地良さを感じていいのか。




人を好きになっていいのか​───────




















バッキーから電話があってから、わたしの気持ちは少し変わった。
寂しいって気持ちが少しだけ軽くなって、それと同時に次はいつ電話があるかと期待するようになり、やっぱり早く直に会いたいという気持ちが強くなった気がする。





「ミア、おなか空いてたりする?」


店内のお客さんが落ち着き、カウンターで出来る雑用をしていると、アレックスが近づいてきた。


『ん?う~ん…ちょっと小腹が空いてきてるかな』


休憩も終わって、空腹はないけど『何か食べたいな』くらいの気持ち。



「これあげる」


そう言ってアレックスが何かをポケットから出してわたしに差し出してきた。


『クッキー?』

「うん」


それは個包装のチョコチップクッキーだった。
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