【MARVEL】This is my selfishness
第4章 4th
シートを敷いてマグカップ類をその上に広げる。
『ブランケットもあるけどいる?』
「いや、俺は大丈夫だから君が使ってくれ」
お言葉に甘えてブランケットに身を包みながらシートに座る。
『これ結構おしり痛いね?』
屋上は全面コンクリート仕様。
ずっと座っておくには痛そうだ。
「硬いのは慣れてる」
『そうなの?…でも耐えれそうにないからわたしクッション持ってくる』
『ちょっとこれ使ってて』と包まったばかりのブランケットを座っているバッキーにかけて部屋へと戻った。
ミアから掛けられたブランケットを手繰り寄せるとミアの部屋の匂いがした。
香水類は使ってない、柔軟剤やシャンプー等の匂いだろうが、何となく落ち着く。
先程まで無かった眠気がやって来て心地よく眠れそうだ。
今回の任務では対処すべき対象は少なく、さほど疲れるほどのものでもなかった。
が、ミアの匂いに包まれてるだけで落ち着いてくる。
『バッキー』
小さな声で俺を呼ぶ声がした。
声がした方を見ると外階段から屋上に上がる所でクッションで顔が見えないミアがいた。
「何してるんだ?」
預かっていたブランケットをシートに置いて歩み寄る。
『出来るだけ大きいクッションをって思って2つ抱えたんだけど前が見えづらくて』
なるほど。
納得してミアが抱えるクッションを引き取ってやると『ありがとう』と言って屋上の縁を跨った。
『階段は良かったんだけどさすがにここは転けない自信がなくて』
えへへ、と苦笑いをする。
「賢明だな」
『一応バッキーの分もって思って持ってきたから良かったら使って?おしりに敷いてもいいし、膝に乗せててもいいよ』
別に気にしなくてもいいのにと思ったが折角の厚意だ。「ありがとう」と述べると嬉しそうに笑う。
シートに戻り、胡座をかいて膝に貸してもらったクッションを置く。弾力が良い感じだ。
『はい、ココアどうぞ。下に沈んじゃうから時々混ぜてね』
「準備がいいな。先に練り混ぜたのか」
『うん。この方が早く溶けるからね』