【MARVEL】This is my selfishness
第4章 4th
…本当に行けるんだ…
外階段は1階にも降りれるようだったけど、わたしが用があるのは屋上。
階段を上がると、柵のない屋上に上がれた。
建物の縁が地面より高くなっていて、幅もあるようだ。
ただ風に煽られてバランスを崩して────なんてことがないように気をつけよう…。
屋上の真ん中辺りに行くと、上を見上げてみた。
二階建てのこのアパートに並ぶ建物で視界いっぱいに星空が広がる、なんてことにはならないけど、それでも部屋から見るよりは十分広く見える。それに寝転んで星空をぼんやり眺めると頭は星空に集中するためか、段々と視界の端に映る建物が見えなくなる。
ここで決まった曜日にシートやブランケット、飲み物や少しのお菓子を持ってゆっくりするのもいいかも。
おいおい…今度はどうしたんだ…?
ミアが家を出る音がした─────が、鍵を閉める音はせず足音をさせないように俺の部屋の前を通ったかと思うと、鉄が錆びたドアの音がした。恐らく外階段に通じる扉だろう。
何故この時間に?
しかも鍵を開けたまま?
さすがにまた声をかけに行くのは気持ち悪いか?
行動を監視されてると思われる?
音がしなかった通りに、玄関の鍵を開きっぱなしかどうか確認しに行く。傍から見たら不審者過ぎるので音を立てずに部屋を出て一瞬の間に隣の部屋の前に行き、施錠状態を確認した。
…やはり開けっ放しだった。
ここで待ってるのも変だな…。急いでズボンだけは履いたが、上半身は裸のままだ。
急いで自分の部屋に戻り、ミアが戻ってくるのを自分の部屋の中から玄関の扉の前で待つことにした。
聞き耳を立てていればミアじゃない人物が侵入してないかがわかる。
数分も経たないうちにミアが外階段からのドアを開け、部屋に戻ってくる音がした。
ハァ、と一息をつく。
無防備過ぎやしないか?
シャワーを浴びると言われた時に誘われてると考えたのは完全に俺の早とちりだが、今の鍵開けっ放しで出ていくという行為は完全に無防備だろう。
隣の部屋は男が住んでるんだぞ?
これではスプレー持たせただけでは絶対足りないな…