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【MARVEL】This is my selfishness

第4章 4th




『今からシャワー浴びたりするから少しうるさいかも』

「…誘ってるのか?」

『ん?』

「いや…俺のことは気にしなくていいから」



「おやすみ」と言って扉が閉まった。




わたしも寝る準備しよう。仕事前にあれだけ寝たのに、やっぱり仕事した後も眠くなるもんだ。

寝る前に紅茶でも飲んで一息つこうかな。












シャワーを浴びた後、濡れた髪の水分をタオルで拭いながら紅茶の準備をする。
お店ではお酒はもちろん、たまに煙草を店内で吸う人もいる為シャンプーは欠かせない。お客さんの中には吸わない人もいるから喫煙者には外で吸うようにお願いしてるけど、その人たちについた煙の匂いはなかなか消えないものだ。




紅茶を淹れて、クッキーを1枚持っていく。
通りに面した窓を開けると涼しい風が入ってくる。窓の外は人が出ることは出来ないけど少し洗濯物が干せるような柵付きのスペースがある。
もう1つの窓は開けても隣の建物の外階段が面している。バッキーの部屋の窓とわたしの部屋の窓の中間辺りに位置しているが、頑張ればその階段に窓から移れそうな気もするがそんな挑戦をする必要も無いし、そんなに運動神経がいいほうでは無いから失敗しそうで怖い。
……もしわたしの部屋から出火したらそこから逃げるかな?っていうのは考えたけど。






紅茶を飲みながら、休憩時間に賄いをもらったけど少しだけ『何か食べたいな』気分になったのでクッキーを1枚食べた。
食べながら空を見上げると割と星がたくさん見えた。
帰ってきた時よりもほんの少し空が明るんできてる気がする。
それでも見える星は建物に囲まれたこの部屋からじゃ夜空に包まれるような感覚はなくとも綺麗だった。

星に詳しいわけじゃないけど、こうやって星を見ながらぼんやりする時間は好き。




…そういえば屋上に行けるってバッキーが言ってたな





紅茶を飲み干して湯冷めしないようブランケットを頭から被って家を出る。





バッキーの部屋を通り越して真っ直ぐ進むとこのアパートの外階段に出れるドアがある。
そのドアはエントランスのドアと違って、錆び付いた鉄のようにギイ、と音を立てて開いた。




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