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【MARVEL】This is my selfishness

第3章 3rd





自分本意で申し訳ないけれど、我儘だけど、このままなんかちょっと気まずい感じは嫌だ。
せっかく仲良くなれてたのに。



バッグの中にスマホを入れようとした時に指先が画面にあたり、ロック画面がついた。



メッセージがきていることに気づいた。




!、バッキーからだ…


途中で文章が切れているメッセージを開く。





〈言い忘れていたんだが、外出する時は必ずスプレーを最低1本は持っておくこと。特に夜外出する時は念の為2本入れておくように。仕事がんばれよ〉



メッセージは2時間前にきていた。既にわたしは眠ってしまっていた時間。

絵文字もなく、簡素な文だけどバッキーらしいと思った。
これが初めてのメッセージだけど…。

言い忘れてたんじゃない。わたしが言わせる隙を与えなかったんだ。
それを自分の言い忘れと言い換えるその優しさが例えわたしだけに与えられるものじゃなくとも、このメッセージはわたしに送られたもの。
それだけで充分。




よし、やっぱり直接謝りに行こう。
家にいるといいけど…。




そのまま仕事に行けるように食べ物とバッグを持って家を出て鍵をしっかりと締める。



隣の部屋に行きベルを鳴らす。

仕事が不定期と言っていたから、もしかしたら居ないかもしれないけど…


そう思っていると中から足音が近づいてきて、ゆっくりと扉が開いた。


わたしの姿を見ると「やあ、」と笑ってくれた。けどその笑顔はぎこちなく見えた。そうさせたのはわたしだ。




『突然ごめんなさい。メッセージありがとう。その……寝ちゃってたからさっき気づいたの。ちゃんとスプレー、2本持ったよ』



今度はちゃんとバッキーの目を見て話す。


「…そうか」


会った時はいつもにこやかなバッキーの顔が釈然としない。
やっぱりこのままは嫌だな。




『あのね、その、さっきの態度、良くなかったなって。わたし一方的だった。ごめんなさい。バッキーは悪くないの。気にしないでって言っても難しいかもしれないけど、本当に気にしないでくれたら…た、助かる…』



助かるっていうのもどうなんだろ?と思いつつも他に言葉が出てこなかった。




『こ、これからも仲良くしてくれると嬉しい…』



駄目だ、なんかじんわり視界がぼやけてきた…


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