【MARVEL】This is my selfishness
第3章 3rd
……何やってんだろう、わたし……。
親切にしてくれて、仲良くしてくれてる人になんて酷い態度を……。
お店にいた時までの楽しさが夢だったかのように、帰路は最悪だった。
その『最悪』は確実にわたしが原因だ。バッキーは何も悪くない。
だってバッキーは全部、善意だった。
わたしが勝手に勘違いして舞い上がっていただけ。
男性経験がないからなんて、ただの言い訳に過ぎないじゃないか。
『ううう〜〜〜〜』
自己嫌悪の念をベッドの大きなクッションに吐き出す。
なんてわたしは余裕のない奴なんだろう。
クッションから顔を上げて横を向くと、畳まずに置いただけの乾いた洗濯物が視界に入る。
……畳むのもだるい。
沈む気持ちと一緒にベッドに体も沈ませた。
!!!!今何時?!
フガッ!とまるで息を忘れていたかのように起き上がり、時計を見ると家を出る1時間前だった。
嘘でしょ?!あれからわたし寝てたの?!
沈んだ気持ちを彼方に感じつつも、自分のだらしなさに焦る気持ちが沈んだ気持ちを押しやった。
服装は帰ってきた時のままだし、服だって畳んでいない。
そのまま寝たから多少メイクも直さなきゃいけない。
あとお昼ご飯も食べずに寝ちゃったからそれも……
先に着替えとメイクとかしてしまって時間が空いたら食べるかどうか考えよう!お腹は空いてる!
じんわり涙ぐんでたのか、目元のメイクがヨレてしまっていたのでいっその事全部メイクを落として最初からやり直した。
キャミソールを着て仕事の制服のワイシャツを着ながら寝てしまう前の事を思い出す。
勝手に舞い上がって、勝手に落ち込んで。
そしてバッキーに嫌な態度をとってしまったこと。傷つけてしまったかもしれない。嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
寝たら冷静になったみたい。
着替え終わる頃には仕事に行く前に謝ろうと決心していた。
ご飯は外でも食べれるものを持って行って、お店に着いてからか、休憩中にでも食べればいい。