【MARVEL】This is my selfishness
第3章 3rd
タートルネックにセンタースリットのジャンパースカート。
黒タイツに白い靴下を合わせて靴はヒールが高くないレースアップブーツ。
足元はこの組み合わせも好きで、スカートの場合は割と何でも合わせれる気がする。
パンツスタイルにもスカートスタイルにも合わせやすい白い靴下と黒い靴って最強かも?
メイクも少しして────あまり得意じゃないから『少し』になるだけだけど─────小さめのバッグを持って玄関を出る。
するとちょうど洗濯機の終了の音が鳴った。
急いでランドリー室に戻ると、先程と変わらずバッキーが居た。
バッキーは着替えないのかな?パジャマって感じじゃなかったから既に外着だったのかも。
「ミアはオシャレだな」
再度ランドリー室に現れたわたしを頭から爪先まで眺めてそう声をかけてくれる。
『バッキーは何でも褒めてくれるね』
「君は褒めたくなる所が沢山あるみたいだからな」
グッと口角を上げて目を細めて笑うバッキーはきっと人が良いんだろうな、と素直にそう思った。
わたしがしたくてしていることをバッキーはすぐに見つけて褒めてくれる。人を良く見ていて、その人の良さとかを見つけるのが上手なのかも。
わたしが洗濯物を乾燥機に移している間にバッキーの洗濯機も終了の音を鳴らした。
お互いに乾燥機に入れ終わると「ちょっと待っててくれるか?」と言ってバッキーは足早に2階に上がっていき、戻ってきた時には黒いジャケットに黒い手袋を着けていた。
先程わたしを褒めてくれたし、わたしもバッキーを褒めたいな。
『ジャケット似合っててかっこいい!』
パッと頭に浮かんだ言葉を口に出すと一瞬驚いたような顔をした後、「どうしたんだ?」と言いながら目元にシワを作りながらバッキーは笑った。
『バッキーに褒めてもらって嬉しかったからわたしもお返し』
そう言って笑うとバッキーの目はもっと優しくシワを刻んだ。
エントランスの扉をバッキーが開けてくれる。いつも紳士的だ。
「どこで買うか決まってるのか?」
『ううん。とりあえずありそうな場所に行こうと思ってる』
散策した時に見たお店の中に暴漢グッズが豊富にありそうな場所はあったかな…?