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【MARVEL】This is my selfishness

第3章 3rd




可愛いパジャマは自分の気持ちを明るくしてくれるから、割と部屋着やパジャマにはこだわりがある。けれど、だからといってそのまま外出する気は無い。だって部屋着というパジャマだもの!!!!



シャツワンピースの裾を軽く持ち上げて見せるとバッキーは目をぱちくりさせた。


「それパジャマなのか?可愛いから分からなかった」

『!』



治まっていた体の熱が一気にぶり返す。顔がかなり熱い。脇汗も吹き出てくる気がする。



突然「可愛い」など言われると誰でもこうなる​────いや、きっとバッキーは『パジャマが可愛い』という意味で言ったんだ!




『そ、そうでしょう?わたしもこれ気に入ってるの』


慌ててぎこちない笑顔を返すと次なる爆弾を投げてきた。



「君に良く似合ってる。ミアの魅力を引き出してるな」



わたしの笑顔の何百万倍も素敵な笑顔で褒められた。


心の中ではうぐぅ、と胸を締め付けられている思いだけど出来るだけ表に出さないようにぎこちない笑顔を保ち『ありがとう』と返してランドリー室を出た。









足早に階段を駆け上がり、急いで部屋に入る。
部屋に入った瞬間、気が抜けて玄関のドアに背中を預けてズルズルと崩れ落ちた。




まだ心臓が騒がしく高鳴っている。





可愛いって、言われた……



『これがいいな!』と思って選んだパジャマ。
きっと世の中にはパジャマなんてなんでもいい、外では着れなくなったTシャツでいいという人も居るだろう。
けれどわたしは寝る時にも心地良く、その日あった嫌なことを少しでも忘れれるようなパジャマを選ぶ。
そんなことをバッキーに話したことがある訳じゃない。昨日のお茶会でも話していない。
けれどそのわたしの小さなこだわりで選んだパジャマをバッキーが褒めてくれた。


そのことが何よりも嬉しかった。

あんな素敵な笑顔であんな褒め言葉を貰ってしまうと、男性経験のないわたしとしてはあらぬ方向へと勘違いしてしまいそうだ。
バッキーにはそれだけの魅力があると既に感じているのも事実。


…冷静にならないと…。



『着替えなきゃ…』


ふぅ、と息をついてゆっくりと立ち上がる。




今日は何を着ていこう?




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