【MARVEL】This is my selfishness
第10章 9th
サムさんとの任務したくてしてる訳じゃない、ってサムさんとの任務が嫌ということ?それにしては2人とも、仲良さそうに見えた。
サムさんとのっていうよりも、軍関連の仕事が嫌ということにもとれるかも?
わたしとしてもバッキーが怪我しないほうがいい。
ちゃんと処置はしてるらしいけど、なんとなく怪我に無頓着そうな気がする。
『じゃあ、同じ職場で働く仲間として、改めてよろしくね』
そう言って手を差し出すと「よろしく」と力強くわたしの手を握ってくれた。
体が痛い。
仕事の途中から体の節々というか、もう全身が痛くなってきた。
疲労感もそうなんだけど、昨日の引っ張られながらヒールで走るというのが筋肉痛となってわたしの体を痛めつけているようだ。
最後のお客さんが帰って気が抜けたこともあってノロノロと閉店作業をしているとバッキーが横に来る。
「俺は何をすればいい?」
『え?ん〜バッキーは何もしなくていんじゃない?警備員さんだし…』
閉店作業は従業員、もといホールスタッフがメインですることだし…。今日は週末でもないから店内も綺麗なほう。
「一緒に帰るんだ。それなら俺も何かやったほうが早く帰れるだろ?」
『…一緒に帰るんだ……』
「別々で帰る理由がないだろ」
まるでわたしが変なことを言ったかのような表情をされる。
わたしとしては当たり前のように「一緒に帰る」と言われて疲労感と筋肉痛を忘れて、体の内側が歓喜で震えるような心地だと言うのに。
たしかにバッキーが言うように別々で帰る理由がない。
同じアパートで隣人で友達で、自分がいる時くらい一緒に帰ったほうがいいと以前から言ってくれていたし。
それでも、わざわざ理由を作らなくても、少しでも一緒にいる時間が長いというのは嬉しい。
『じゃあ───』
して欲しいことを言うとバッキーはすぐにテキパキと動いてくれた。そのおかげでわたしのほうがやることがなかった気がする。