【MARVEL】This is my selfishness
第8章 8th
意外にも、赤いロボットはこちらの言葉が理解出来ているようで『おいで』とクッションをポンポンと叩いてジェスチャーすると、静かにそこへ降り立った。
そこからロボットの機体を隅々まで観察してみたり、話しかけたりしていると遠くの方で爆発音が聞こえた。
部屋の外も騒がしく、ドタバタと走る音も聞こえる。
外に出ないよう言われているけれど、万が一、避難しなきゃいけないようになったとしたら。
自分の格好を見て焦る。
ドレスに着替えておいたほうがいいのだろうか?
でもドレスを破いてしまったら……いや、そんなことを考えてる場合じゃないかもしれない。
必需品はすぐ持って行けるように手元に置いておこう。
ソファーから立ち上がるとわたしのあとを着いてくるようにロボットも浮上する。
そうだ、靴も履いておこう。スリッパだといざと言う時に動きづらい。
スリッパから靴へ履き替えたその時、
部屋に呼び鈴の音が響いた。
部屋に備え付けられている電話ではなく、インターホンの音だ。
─────誰も中に入れるな、って言われてるけどこの場合はどうしたら……
チラ、と顔の近くを飛ぶロボットを見てみる。
ロボットは扉のほうを注視しているだけで、特に何のリアクションもない。
再び呼び鈴が鳴る。
せめて誰が鳴らしているのか見てみようと思い、意を決して扉に近づき、静かにひっそりとドアスコープを覗いた。
!!
レオポルドさんだ!
パーティー会場で最後見た時と違って、ヘアスタイルが崩れて、身なりも激しく動いたのか皺になっている。
先程爆発音もしていたし、何らかの騒動に巻き込まれているのかもしれない…
扉を開けようとしたその瞬間、
ガチャンッ
『え?』
勝手に鍵が開いた。
チェーンのロックまでしていなかった扉が勢いよく開く。
しまった…!
そう思った時には扉は完全に開かれていて、姿を現したレオポルドさんを認識したロボットはけたたましくアラーム音を響かせた。
「チッ!こっちにもいたのか、そのロボット!」
レオポルドさんがわたしの腕を掴み引っ張りながら、拳銃でロボットを撃つ。
ロボットは銃弾を弾きながら、反撃のように撃つけれど、レオポルドさんがわたしを盾にするようにロボットの前へ押しやると、ロボットの反撃が止む。