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【MARVEL】This is my selfishness

第8章 8th



「まだ会場内に戻ろうと思ってる?」

『うん……でもお腹もいっぱいになってきたしな〜って思ってる』


『これ以上はお腹が膨れてるのバレちゃう』と笑いながら自分の腹を撫でるようにして隠す。


「ああ、確かにいつもより​────」と言いながらその腹を見ると『見ないで〜!!』とマスクごと目隠しされた。地味に痛い。



「もう少し涼んでからレオポルドに声を掛けよう」

押されて少しズレたマスクの位置を戻す。

『うん。ホテル楽しみだね』


屈託なくワクワクと体を揺らすミア。
分かってるのだろうか。この2日間、連続で俺と一緒に寝ているという事実。

恐らくレオポルドに部屋を頼んだところで、この人数だ。用意されるのは一室だろう。良くてツイン。悪くてシングルで大きめのベッドだろうな。
ミアはその事に考えがいってないのだろうか。
それともやはり俺のことを異性として意識していないのか。

恥じらいを見せることはあってもそれが異性だからなのかどうかが判別つきにくい。もし今一緒にこのパーティーに参加しているのがあの新人だとかいうアレックスだったとしても俺に見せるような顔や恥じらいを見せるのだろうか。

比較したいところだが考えるだけで腸が煮えくり返る。



『バッキー?』


頭の中に意識がいって返事をしていなかった俺を不思議に思ったのであろうミアが顔を覗き込んでくる。


『もしかしてバッキーも酔った?疲れた?』


答えようとしたところで背後の会場内の音楽が鳴り止み、代わりに盛大な拍手が響き渡った。
どうやらレオポルドのタンゴが終わったらしい。そのことに彼女も気付いたのか、見えもしないレオポルドの姿へパチ、パチ、と会場内の拍手よりも熱量の小さい拍手を送った。













レオポルドさんのタンゴが終わり、誰でもいいとは言っていたけれど、最後に挨拶しておこうということになってバッキーがわたしを手摺から下ろしてくれた。

このパーティー中ほぼずっとしてるように当たり前にわたしの腰に手を添えてくれるけど、その力は来た時よりも強く、足取りが覚束なくなったわたしをしっかりと支えてくれる。

見ないで、と言ったお腹のお肉がさぞしっかり掴まれてることだろう、と酔った頭の隅で考えた。










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