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【MARVEL】This is my selfishness

第8章 8th




階段を降りきって店内のカウンターを目指す。


お客さんもいるのであまり邪魔にならないようにと思いながらもロンさんに声をかける。



『ロンさん』

「ミアちゃん!綺麗ねえ〜!良く似合ってるわよ」


わたしの格好をすぐさま褒めてくれた。そして「そのままキャストとして入る?」と茶目っ気たっぷりにウィンクしたのをバッキーがわたしの腰に当てていた手に力を込めて引き寄せて「断る」と断言した。
その手からの熱が布1枚越しにはっきりと感じ取れて動悸が忙しくなる。

動悸に詰まりそうになりながらも口を開いた。


『色々貸していただいてありがとうございます。荷物も預かってくれるそうで…』

「いいのよ!私がパーティーの出席お願いしたんだし、ドレス類も私の趣味だしね。それより楽しんできて頂戴!」

『ありがとうございます!』


ロンさんと話しているとアレックスもカウンターに入ってきた。


「Hi、ミア…凄くおめかししてるね」

『アレックス、お疲れ様。ロンさんがパーティーの招待状を譲ってくれてね、今からバッキーと行くの』

「へえ!いいね!」



アレックスと話しているとお店のドアベルが鳴った。お客さんが入ってきたのだと思い、仕事中のロンさんとアレックスの邪魔をしないようにカウンターから離れると、そのお客さんはすれ違うようにしてロンさんの方へ近付いた。


「ミア様とバッキー様はこちらに?」


入ってきたお客さん​────黒スーツの男性がロンさんに伺った。
今わたし達の名前言った?

わたしが名乗りあげようと1歩前へ進もうとするとバッキーに止められた。アパートの管理人さんが来た時も同じように制されたなあ…とバッキーを見上げてみると、その顔つきからしてどうやら警戒モードのようだ。



「バッキーは俺だが。あんた誰だ」

「ジョン・レオポルド氏の遣いの者です。こちらに迎えに上がるようにとの事だったので、ただ今参上した次第です」


事情を話しながら恭しく腰を折る黒スーツの男性を注意深く見て、納得したのか、バッキーがまたわたしの腰に手を回しながら「そういうことなら」とわたしを男性に紹介した。



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