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【MARVEL】This is my selfishness

第8章 8th



管理人さんがバッキー、続いてわたしと握手をする。
バッキーと握手する時に「なんかアンタ見たことある気がするな」と言っていたけどバッキーは肩をすくめるだけだった。


「詳しく言うと管理人兼大家なんだけど」

パチンッと聞こえてきそうなくらい陽気にウィンクをしてきた。


『大家さんなんですか?』


失礼かもしれないけど、ダニエルさんはカールした金髪に、根元は黒い髪色が見えている。わたしより若そうで、失礼だけどとても大家さんには見えない。



「ここ、元々はじいちゃんが持ってたんだけどそのじいちゃんが最近亡くなってね。入院してから亡くなるまで不動産屋に一任してたんだ。ここは俺に引き継ぐよう遺言してたらしくて、そんで俺が引き継いだってわけ」


さらりと重い話をされた。何と言葉を返せば良いか分からず、口を閉ざしてしまった。


「とまぁ、管理人兼大家ではあるけど管理人室はそのまま空いてることが多いと思うから、何かあったらこの番号に連絡して。俺の番号ね」


「出来れば女の子から掛かってきた方が嬉しいかな」とにこやかに笑いながら、1枚の紙切れが渡された。
1枚と言っても本当に紙切れ。それにダニエル・バークという名前と電話番号が書かれていた。


「そんじゃ、俺帰るから」

ダニエルさんはまたね〜、と手をヒラヒラ振りながら階段を下りてエントランスから出て行った。




『嵐のような人だったね…』

「そうだな」


見上げたバッキーの顔はどこかホッとしたような表情に見えた。
気の所為かもしれないけど。



「それで?用事はなんだったんだ?」

『え?あ、うん、ちょっとね…』


まさかTバック買いに行ってたの!なんて言える訳もないからそこをあまり突っ込まれると困る。おかげで返答が少し緊張したような声になってしまった。



『それにしてもちゃんと管理人さんっていたんだね』

「若い奴で驚いたが…管理人室が空きっぱなしで良かった」

『どういうこと?』


管理人室が空きっぱなしで良かったって…管理人さんが常駐しないことが良かったって意味??


「…男が増えるだろ」

『?まあ、そうだね?』


それが何だと言うのだろう?
管理人さんは出来れば管理人室に居た方がいい気がするし、力仕事も頼めるから男性というのも困ることではないと思うんだけど……。



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