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【MARVEL】This is my selfishness

第7章 7th



どう?と提案するとバッキーは笑顔で「もらう」と頷いた。


『じゃあポトフ温めるね。先にサンドイッチ食べとく?飲み物は?』


わたしの部屋にバッキーを招きながら聞くと「至れり尽くせりだ」と嬉しそうに笑う。
その顔がわたしまで何だか嬉しくさせる。






コーヒーを淹れてサンドイッチをテーブルに運び、ポトフを火にかける。


『そう言えばお酒、あと一本だけ残ってるけどバッキー飲む?わたしが持ってても飲まないから…』

「じゃあ俺が引き取ろう」

『ケースはわたしが明日お店に持って行くね』

「俺が一緒に行く」

『いや、ケース持って行くだけだから…』


紳士が過ぎるよ、バッキー。
本当に大丈夫だから、と何とか断る。バッキーって押しが強いんだよなぁ…。


自分の分のサンドイッチと紅茶をテーブルに運び、席に着く。



『朝ごはん兼昼ごはんになりそうだね』

「そうだな。映画観たあとはどうする」

『え?』


そう聞かれてキョトン、としてしまう。
映画観たあと…そっか、映画観て終わりっていうわけじゃないんだ。今日は私も休みで映画を観ること以外特に予定がない。きっとバッキーも他に予定がないんだ。


『…おやつ?』

「おやつか」


フッ、と優しく笑う。他にパッと思いつかなかったんだもん。
それにしても当たり前のように一緒に居るというか…映画を観たあとも一緒に行動するって考えられてるのが嬉しい。











『あ、洗濯物取ってくるね』

「分かった」



朝ごはん兼昼ごはんを済ませた後、既に終わっているであろう洗濯物を取りに、部屋にバッキーを残して部屋を出た。
バッキーがいるから鍵持ってこなかったけど大丈夫だよね。


1階に降りてランドリー室へ向かう。案の定、乾燥機は静かになっていた。
洗濯物を取り出しながら、自分の洗濯物と毛色の違う男性物のシャツが混ざっていることに不思議な感覚を覚える。ソワソワと浮き足立ってしまうような。
このままゴチャッてしてる状態で持っていくのも気が引けるから急いで畳んでしまおう。








部屋へ戻るとバッキーが「おかえり」と言ってくれた。それでまた心が暖かくなる。
家に帰って「おかえり」と言って貰えることがすごく嬉しい。
すっかり1人暮らしにもなれていたからこそかもしれない。誰かが家で待っているっていいな。

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