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【MARVEL】This is my selfishness

第7章 7th



『んん…イタ、』

開かない目を擦ったあと、何かに頭をぶつけた。
うっすらと目をこじ開けて確認したらベッドフレームがすぐ近くにあった。


『?』

わたしいつもこんな位置に寝てないよね…?
クッションがあって、頭サイドのベッドフレームに当たることは無いはず。
眠気に逆らいながら、頭だけ動かして周りを見てみる​───────と、自分が何かを抱きしめているのに気づいた。


うん?


胸元で抱きしめているものを見てみると、濃い茶色が見えた。
それをなんとなく抱きしめていた手で撫でてみると、もぞ、と動いた。


『…、わ、』


わたしを見上げるように動いたのはバッキーだった。
バッキーの顔がわたしの胸元にあったらしい。
少し寝ぼけ眼のバッキーがじっとわたしを見上げてくる様子が小さい子のようで可愛い。
もう一度よしよし、と撫でるとバッキーの眉間にシワが寄っていく。
あれ?気に食わないのかしら。ふと、視線を下げていって、わたしの腰に巻き付くバッキーの腕を過ぎたあたり。
バッキーに乗っかっている足に気づく。


……わたしの足だ!!!

一気に覚醒する。


『わっ!ごめっ、!足!』

「ん?…ああ、別に…」


わたしが足を退かすのをチラッと見るだけでバッキーはまたぎゅう、とわたしの腰に巻き付けている両腕に力を込めた。おかげで起き上がることが出来ない。わたしはまるで抱き枕のようにバッキーを抱き締めていたらしい。


それにしても…

『バッキー、まだ眠い?』

目を閉じて「ん〜」と下唇を突き出す表情をするバッキーをまた撫でる。
意外と髪が柔らかい。


「寝かせようとしてる?」

ゆっくりと目を開けたバッキーが恨めしそうに見てくる。

『そういうつもりはないけど…寝不足が続いてたんでしょう?わたしも迷惑かけちゃったし…』


催眠術にかかったせいか、猫みたいになって面倒を見てもらったようだし、今回は今回で多分わたしが先に寝ちゃってバッキーが帰るに帰れなかったんだろう。


しかし返ってきた言葉は意外で​──────


「むしろここ最近で1位2位を争うくらい、よく眠れた」

『そうなの?』

「昨日と今日だ。屋上で寝た時も良かったが。君は何か睡眠促進剤でも出てるのか?」


眉間に皺を寄せて真剣に聞いてくるものだから、思わずキョトン、としてしまった。

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