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【MARVEL】This is my selfishness

第2章 2nd


「思っていたよりも本格的だ」


眼前に広がるスイーツやサンドイッチでテーブルはいっぱいだ。
お茶会っぽくレースのテーブルクロスも掛けてみた。


『普段は1人だからここまでしないけど…準備中も楽しかった』


バッキーはくしゃりと笑いジワを作って笑うと「部屋もいい感じだな」と部屋を見渡しながら褒めてくれた。
自分でも気に入る部屋に仕上がっただけに褒められるのは嬉しいんだけど、知り合って間もないかっこいい男性に部屋をじっくり見られるというのはなかなか恥ずかしくてソワソワしてしまう。


『自分でも気に入ってる。ここ数日で日当たりの良さも実感したし。あ、好きに食べてね。カップケーキとかもあるから』


出来上がったばかりのサンドイッチに手をつけて齧ると「ん、美味いな」と顔を綻ばせてくれた。やった!


「確かに日当たりはなかなか良いな。屋上には出たか?」

『えっ、屋上も行けるの?』

「ああ、…引っ越してくる前に内見しなかったのか?」

「まあ、俺は引っ越してきてから知ったけど」と付け足した。


『バイト先に近いし、部屋の広さも申し分ないか〜って内見せずに決めちゃった…』

「お茶会はこんだけ準備良いのに?」


目を丸くして眉間にシワを寄せられた。
ごもっともです。


『ちょ、ちょっとだけ、詰めが甘いんです…』

苦し紛れにもごもごと絞り出した。


『あ、でもほら、ラッキーなことにお隣さんは良い人だし!』

「本当に?」


お隣さんは自分の事だと分かってるはずなのにバッキーは意地悪そうな顔をする。


『…良い人じゃない?』

「さあな」


肩を竦めて見せたバッキーの目は少し伏せられて寂しそうにも見えた。

少しの沈黙に慌てて口を開こうとしたら、サンドイッチの最後の一口を口に入れたバッキーが先に言葉を切り出した。


「バイト先に近いってのは徒歩の範囲内か?」

『あ、うん。HEAVENっていうBARなんだけどね、ここから歩いて10分くらいかな?知ってる?』

「知らないな…薬やってる所じゃないだろうな?」

『ふふ、名前がちょっと怪しいけど大丈夫だと思うよ?』





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