【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
部屋を出て鍵をしっかり閉めてバッキーの部屋のベルを鳴らす。
ブーーという音が鳴るとすぐにバッキーが出てきた。
さすがにちゃんと服を着ているから安心して目を合わせれる。
「君は何色でも似合うな」
わたしの服を見て感心したように言う。
『ありがとう。さすがに可愛いピンクは着れないけど…』
「?似合うんじゃないか?」
バッキーは人を持ち上げるのが上手いんだろうな…本気で「似合うんじゃないか?」って思ってるような顔をされると、着てみようかな?って気になる。
『じゃあ今度、パジャマから始めてみる』
「もし着たら是非見せてくれ」
『うん、分かった』
…ん?パジャマを見せることになっちゃう?と思ったけど、バッキーにはパジャマの格好で何度か会ったりしてるもんなあ。今更恥じらうことでもないのかも…?パジャマだって好きな物を選んでる訳だし、その点で言えばお出かけの時の服と何ら変わりない。
「じゃあ、行くか」とランチに行った時のようにバッキーがわたしの腰に軽く手を添えてリードしてくれた。
『あ、これ美味しそう』
「さっきも甘い物見てたろ」
スーパーに着いて、おつまみにスナック菓子もいいね、という話になってお菓子コーナーに来ると、どうしても甘い物にも目が行く。
『甘い物ってついつい食べちゃうよね。最近はアレックスと物々交換してるから特に見ちゃう』
「アレックス?」
『うん。ほら、昨日教えたでしょ?新しいバーテンダーの』
「ああ…」
お店で見たアレックスを思い出したのか、バッキーが頷いた。
そして眉間に皺が寄る。
「ロンバルドが言ってたな。ミアとそいつが小腹がすいた時に物々交換してるって」
『えっ、バレてた?』
「バレてないと思ってたのか」
『暗がりだし、ポケットに入るくらいの小さいものだから…怒ってた?』
ロンさんにバレてたとは…ロンさんから離れたところでしてたけどやっぱりカウンター内はロンさんのテリトリーだもんなぁ…。
わたしの言葉に、バッキーは「いや」と否定してくれた。どうやらロンさんは怒ってなかったみたい。
しかし、その後に「ただ…」と続けた。